
天井の高さの平均基準とより高くみせるテクニック
投稿日:2020年5月27日 | 最終更新日:2020年6月3日
天井高は平均的に2400mmが標準で、それ以上あれば「高い」と感じ、それ以下だと「低い」と感じます。
昔の田舎にみる家は比較的天井が高く、「空間の無駄を少なくしよう」という考えから住宅天井はだんだんと低くなりましたが、最近は、「ゆったりとした空間」を売りに、天井高のある住宅に人気が集まるようになりました。
天井高2700mmの戸建てやマンション(特に上階)が販売されるようになり、実際、モデルルームなどで体感すると、開放的で高級感があるように感じられる方も少なくないと思います。
天井は高い方がよいのでしょうか…。
メリットとデメリットを上げて考えてみましょう。
天井高が高いメリット
開放感や高級感を感じるほかに、空間を広く感じることができます。
壁を開口して大きな窓を作ることができるので、たっぷりの自然光を取り込めて部屋が明るくなります。
天井高が高いデメリット
暖かい空気は上部にたまるので、暖房器具で部屋を暖めても、日々過ごしている空間は「暖まった」と感じにくいかもしれません。
このように、光熱費が高くついてしまったり、高さがあるが故に建築費用やメンテナンス費用がかかることも考えられます。
また、「狭いほうが落ち着く」という感覚の方は、「なんだかソワソワする」とか、人との距離感を感じて「家族間の温かみに欠ける」といった、落ち着きや和みに欠けるかもしれません。
天井が高いvs天井が低い
最近の傾向は、「天井は高い方がいい」という憧れが強いように思いますが、ご自身はいかがでしょうか。
ホテルを例に考えてみると、天井高があるのはエントランスホールやレストランのみで、部屋(寝室)に入ると天井はそんなに高くありません。
エントランスホールやレストランでは、大きなシャンデリアが天井の高い空間に映えて、非日常的な空間を楽しむことができます。
一方、休息や癒しを目的とした部屋(寝室)は、リゾートホテルのコテージなどを除き、高さのある天井ではなく標準的な高さになっています。
天井高は、部屋の目的に応じて相応しい高さがあるのではないか、ということがわかります。
ですから、住宅の天井の高さは、すべての部屋の天井を高くする必要はなく、部屋別に変化をつけることで天井高のある部屋がより活きてくるように、主にパブリックスペースである玄関やリビングの天井を高くしてみてはいかがでしょうか。
心理的に天井を高く感じさせる方法
今お住いの部屋が、物理的に天井高を確保することができなくても、「色彩」を使ったインテリアで天井を高く感じることができます。
天井は壁色より「明るく」することによって、心理的に天井を高く感じることができます。
「明るく」とは、「白」を多く感じる色のことです。
よって、心理的に天井を高く感じさせる究極の色は「白」ということになりますが、もし、壁に色がある場合は、「その色味を少し感じる白」にすると、おしゃれな空間になります。
マンションなどは、構造上、部屋の中に梁が出ていることは珍しいことではなく、それが圧迫感を感じさせてしまうことがあります。
その場合、無理に高くみせようとはせず、あえてカラーを施してアクセントとしてインテリアを工夫するのもよいと思います。
カーテンは、縦ラインを強調するような色柄を選ぶことで目線が上下に走り、高さを意識できます。
因みに「黒」の天井は、心理的に実際より10~20㎝低く感じてしまいます。
モダンでクールなインテリアに、「黒」の天井は雰囲気がでますが、重くのしかかったように感じるその色効果は、疲れを癒すための住居には不向きと言えます。
まとめ
男女又は身長の差により、感覚的に「高い・低い」の個人差が生まれます。
もし、モデルルームなど訪問の機会があれば、天井高も意識して、ご自身がどの程度の高さに心地よさを感じるかを知りましょう。
玄関やリビングなどパブリックスペースは天井を高く、寝室や子供部屋などプライベートルームは天井を低くするといったようにメリハリを効かせ、部屋の使用目的別に天井高を変えてみてはいかがでしょうか。
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