和室のおしゃれなインテリアコーディネート実例5選!和室に合う家具の選び方とは
日本の住宅には和室という概念がありますが、生活様式の欧米化が進むにつれ和室の考え方は大きく変化しました。
古い住宅や中古マンションの和室について「使い道が少ない」「インテリアを楽しめない」などネガティブに捉える方は少なくありません。かと言って、せっかくあるお部屋を使わずにいるのはもったいないですよね。
そこで今回は、インテリアコーディネートのプロが和室を上手に活用するインテリアのテクニックを解説します。
和室をおしゃれに見せる家具の選び方やコーディネート事例もご紹介するので、和室の取り扱いにお困りの方はぜひ最後までご覧ください。
和室をおしゃれに見せたい!インテリアコーディネートの選択肢
和室をおしゃれで使い勝手のいいお部屋に変身させる方法として、選択肢は大きく3つあります。
- 和モダンな雰囲気を目指す
- 洋室風にDIYをする
- 中和室として活用する
和室大改造を計画している方は、使い道に困っている和室を思い浮かべながらどの選択肢で進めていくかを検討してみてください。
選択肢1.和モダンな雰囲気を目指す
和室をセンスよく変身させる場合、和室の魅力を活かした和モダンテイストにコーディネートする方法があります。
和モダンは畳やふすま、家具など「和室っぽさ」をそのままコーディネートに活かせるのが大きなメリットです。その分費用も抑えられるので、手軽さを重視する方におすすめです。
和モダンのお部屋を目指す時は、和室というベースが和の空間にモダンなアイテムを取り入れてみましょう。照明やラグなどをモダンなデザインに取り替えながら、和風とイマドキっぽさのバランスを楽しんでみてください。
選択肢2.洋室風にDIYをする
大がかりな変化を望むなら、思い切って洋室風にDIYする方法もあります。
畳を撤去してフローリングにしたりクロスを張り替えたりする工事は、DIYでやってやれないこともありません。(不安があれば業者に相談してくださいね)
こちらの動画では和室を洋室にDIYする様子が見られます。素人さんとは思えない技術と仕上がりに驚かされますよ。
余談ですが、弊社の強みである「イギリスインテリア」にはDIYと共通する部分があります。イギリスではペンキ塗りや床の張り替えなど、多少の補修であれば自分たちで行うのが一般的です。
ものを長く大切に扱うという意識があるため、愛着のある家のことは人任せにせず、DIYで楽しむ人々が多い傾向にあります。「和室を使い道を見つけたい」という想いは、ものを大切にしようとするイギリスの考え方によく似ており、とても素敵だと感じます。
選択肢3.中和室として活用する
現代の家づくりは和室の在り方が見直されつつあります。
リビングと隣り合わせにした中和室を作ったり、リビングに少し高さを出す小上がりスペースを作ったりなど、和室を作る間取りが好まれる傾向にあります。中和室は小さな子どもや高齢の家族と暮らす家庭におすすめです。
日本人の生活様式に合わせて作られた空間が、時代を超えておしゃれなものとして再確認されるのは非常に素晴らしいことです。せっかくトレンドとしてその魅力が見直されているのですから、現代風に手を加えておしゃれに活用してみてはいかがでしょうか。
和室をおしゃれに見せる家具の選び方
和室のインテリアを一から考える時は、家具選びは慎重に行わなければなりません。
ここからは、和室をおしゃれな空間に変身させる家具選びのテクニックを3つご紹介します。
コツ1.素材や形状にこだわる
和室の雰囲気を大切にしつつおしゃれなお部屋を作るには、家具の素材と形状にこだわりましょう。
和室に合う素材としては木や籐、竹などがあります。棚やベッドは木製のものを、収納小物は籐や竹素材のものを選ぶと和室本来の良さが引き立つのでおすすめです。
反対に、パイプやスチールなどの金属素材を和室に多用するのは避けた方がいいでしょう。和室には畳やふすま、障子など自然素材のものが多く取り入れられているため、人工的なものはミスマッチな雰囲気を与えてしまいます。
また、装飾や色使いが派手すぎるものや、キラキラ輝くシャンデリアなど、それ自体の存在感が強調されすぎてしまうものもNGです。
コツ2.背の低い家具を選ぶ
現代の日本の一般住宅は天井高の基準を2400mmとしていますが、少し古い住宅は天井高が2200mmかそれより低いことも珍しくありません。
天井高が低い和室のインテリアコーディネートを考えるなら、家具類は背の低いものをチョイスするといいでしょう。
背の高い家具は、低い家具に比べて圧迫感が出やすいです。天井高が低い和室ならなおさら、窮屈な印象を与えてしまいます。
狭い部屋を広く見せるには「目線を下げる」テクニックが有効なので、ソファではなく座椅子を、ベッドはロータイプのものをチョイスするといった選び方を意識してみてください。
コツ3.彩度が低い色を選ぶ
和室には自然素材を連想する色がよく合います。
茶色やベージュ、グレー、畳を連想させるくすんだグリーンなどが合わせやすいです。アクセントを足すならえんじや藍色などもいいでしょう。
彩度の高い色は和室では目立ち過ぎてしまうので、配色を考える時はアースカラーや日本の伝統色でまとめると美しく仕上がりますよ。
参考:原色大辞典「和色大辞典」
和室のおしゃれなインテリアコーディネート実例5選【写真あり】
和室をおしゃれに大変身させたい方のため、ここからは和室のおしゃれなコーディネートをご紹介します。
※今回はインスタグラムに投稿された参考にしたいコーディネートをまとめています。
事例1.和室の魅力はそのままに。おしゃれなアイテムを上手に取り入れた空間
こちらは築50年以上の住宅の和室コーディネートです。
目を凝らすと和室だとわかるお部屋ですが、照明やソファ、ラグなど一つひとつのアイテムが洗練されているため、いい意味で和室っぽさがありません。
建物が刻んできた歴史を大切にしつつ、現代風の良さも感じられる和室コーディネートです。
事例2.リビングの延長線にある和室に癒される
こちらはリビングに隣り合う和室を上手に活用しているコーディネートです。洋室リビングの延長にあるのに違和感がなく、むしろ2つの空間が見事に調和しているのがわかります。
畳は肌触りがよく、転んでも怪我をしにくい適度な弾力性が魅力です。抗菌作用や浄化作用もあるので、日本が誇る文化をお部屋に残すのは実に素晴らしいインテリアコーディネートだと思います。
事例3.和室から洋室へ!大変身のポイントはフロアシート
和室の痕跡が一切なくなったと言っても過言ではないこちらのコーディネート。築古賃貸アパートとは見えないほど洗練された雰囲気に変身しています。
畳の上からフロアシートを貼るだけで、ここまで印象が違って見えるのはDIYの醍醐味です。DIYでここまで雰囲気を変えるには上級テクニックが必要ですが、一つひとつの工程を丁寧に行えば仕上がりは美しくなります。
また、DIYは一生懸命手をかけたものに対して愛着を持てるメリットがあるので、今まで使い道に困っていた和室を大好きな空間として受け入れられるチャンスが待っていますよ。
事例4.上級者向け!こだわりを詰め込んだ空間はおしゃれな雑貨屋さんのよう
和室らしさはそのままに、好きなものをディスプレイした理想的な空間がこちら。あれこれ飾ってもまとまりがある上級コーディネートです。
「和室って可愛い!」そう思わせてくれる雰囲気は、おしゃれな雑貨屋さんやカフェのようです。いつまでも眺めていたくなる魅力が詰め込まれた素敵なお部屋ですね。
事例5.和室の固定概念を覆す空間活用術が光る
床の間はお花や置物、掛け軸などを飾るのに最適なスペースですが、生活様式の変化や文化の西洋化などによって「活用が難しい場所」というイメージが強くなりました。
こちらのコーディネートは、そのようなイメージを覆す空間活用術が最大のポイントです。デッドスペースをおしゃれな収納場所として活用している素晴らしいアイデアです。
デッドスペースとなりやすい場所は、本来の使い方とは異なる方法で活用の幅が広がります。SNSにはインテリアのヒントがたくさん散りばめられているので、和室の使い道を考える時は迷わずチェックしてみてくださいね。
和室のコーディネートで困った時はプロに相談するという選択肢も
新築やリフォーム、引っ越しなど住まい環境が変化するタイミングは、和室の在り方や取り扱いについて考える機会となります。
生活様式が大きく変化してきた現代の日本では「和室は使いづらい」「同じ部屋数を持つなら洋室がいい」と考える方が多いです。確かに和室は使い勝手のいい空間ですが、和室には和室の良さがあります。
その良さを残したままより快適な空間にするのもいいですし、DIYで使いやすい空間に変えてしまうのもいいでしょう。使い道がないからと放っておくのは非常にもったいないので、手余しにしている和室がある方は、ベストな空間の使い道を模索してみてください。
和室の取り扱いで困った時は、インテリアのプロに相談するのがおすすめです。住む方のライフスタイルに合わせたコーディネートを提案してもらえるので、お部屋の活用の幅が一気に広がります。
株式会社COLORHOUSEは、色彩計画を強みとするインテリアデザインオフィスです。好みやこだわりを形にするコーディネートをご提案できますので、お気軽にご相談ください。