【WIC】ウォークインクローゼットのメリット・デメリットとは
投稿日:2021年8月4日 | 最終更新日:2021年8月4日
間取り図を見ていると、「WIC」と書かれている狭い部屋を目にすることがあります。
「ウォークインクローゼット(WIC)」とは、人が入れるサイズのクローゼットのことを言い、 間取り図で「WIC」or「WCL」と略して表記されます。
仕事柄、各部屋の「収納」に関する相談を聞く機会が多々あり、「たっぷりと収納スペースは欲しい」という希望が叶えられそうな「WIC」は大変人気があります。
WICがあれば、「部屋の中がモノで溢れて雑然としたお部屋になってしまうのを解決できるのでは?」というお考えからです。
「大量に収納できて扉を閉めれば散らかった部屋が一瞬でスッキリする!!」という、「おしゃれで使い勝手が良いWIC」は都合の良い収納スペースになります。
さて、本当にそうでしょうか…。
今回のブログは、「そもそもWICって?」「WICのメリット・デメリットって?」などから、WICの在り方を考えてみましょう。
主婦の憧れ ウォークインクローゼット
日本の住まいの収納と言えば「押入れ」が一般的で、奥行きが深くその収納力は抜群です!
しかしその奥行きが災いして、一度収納してしまうと最後、使わないものはどんどん奥へと押し込まれその存在さえ忘れ去られてしまう…、という方も少なくないはずです(苦笑)
また、中段で上下のスペースに分けられいる特に下段の奥にあるものは、腰をかがめながら手前のものを退けて奥から引きずり出す…、という非常に手間のかかる作業にはうんざりですね。
「押入れ」は、大容量の収納場所ではあるものの、中の空間もきちんと整理整頓をしておかなければ、使い勝手の悪い収納場所になりかねません。
それに比べて「WIC」は、照明があり(エアコン設置もあり)居室と変わらない天井高をもった歩き回ることができる大きな収納部屋で、「押入れ」とは全く違う印象になります。
「押入れ」で前後や上下に重ねていた収納も、WICに収納することでより簡単に出し入れすることが可能です。
「いいなぁ」と羨望の眼差しを向ける主婦の方は多いと思いますし、「WIC」という響きにも憧れを持つのではないでしょうか(笑)
ラグジュラリー感や使い勝手の良い印象があり、人気の高い収納スペースです。
WICのメリット
大きな荷物の収納ができる
「クローゼット」とは、衣類を中心に小物などを収納するスペースのことを言います。
なので、「ウォークインクローゼット(WIC)」も衣類中心の収納スペースではあるものの、広さがあるので「納戸」としても使われています。
衣類以外の季節家電や布団など、比較的使用頻度の高いものを収納できるのは、出し入れのことを考えると非常に便利です。
スーツケースのような置き場所に困る大きな荷物も、悩まず収納できてしまうのはうれしいですね。
洋服選びが簡単にできる
WICは、クローゼットの中に入る事ができる収納スペースなので、その中でファッションコーディネートができます。
クローゼット内には是非ミラーを設置して、カバンやアクセサリー関係も一緒にファッションチェックできるようにしましょう。
洋服は、ハンガーに吊るしたりたたんでオープン棚に収納しているので、一目で色とデザインがわかりコーディネートを考えるのも便利です。
WICのデメリット
ウォークインするためのスペースが必要
WICは、人が入って作業するスペースが必要です。
収納したものを出し入れする時や、ハンガーにある洋服を選んだり、時には着替えもその場所でする為です。
人が入って作業するスペースに物を置いてしまうと、使わない物の出し入れができないばかりか、洋服も選べなくなってしまい「クローゼット」として機能しなくなってしう、ということにもなりかねません。
大きな収納スペースだからと言って詰め込みすぎると、そのスペースを活かしきれず無駄なスペースとなってしまうので、気を付けることが大切です。
洋服が傷みやすい?
日本は湿度が高く、室内のカビで悩む方は多いと思います。
収納の仕方が悪いと、洋服までカビが生えてしまいます。
その対策として、日本の服(着物)は、調湿機能の高い桐のタンスに収納することが普通でした。
CL(クローゼット)やWICが多くみられるようになると、タンス収納が面倒臭かったりおしゃれに見えなかったりで、すっかりタンス収納の文化が薄れてしまったように思います。
WICは部屋の扉と同じ扉で区切られているだけで、部屋の環境とさほど変わりません。
パイプにかけられている洋服たちは「部屋に吊るしっぱなし」の状態とも言えます。
WICに綺麗に収納されていると思いがちですが、洋服(カバンも)は埃をかぶりますし環境が悪ければカビの心配もあります。
特に高価な洋服(かばんも)は、WICに収納されていても傷まないように気をつけて収納する必要があります。
WICは海外に見る収納スペースで、湿度の高い日本では同じような感覚で使えないところがあるのではないでしょうか。
まとめ
憧れや理想が高いWICですが、「納戸」や「タンス」あるいは「押入れ」の方が良い収納場所である、というものがあるかもしれません。
何をどう収納するかをしっかり考えて、それに合わせた収納場所を選ばないと十分に活用できないと思います。
「ウォークインクローゼット」は、ちゃんと「ウォークイン」できるように保つことも大切ですね。