
初めてのイギリス訪問で気付いた住宅とインテリアのあり方
投稿日:2020年4月15日 | 最終更新日:2020年10月8日
2019年11月、舞い降りてきたご縁がきっかけで「イギリス&ウェールズ」へ訪問した。
初めてのヨーロッパ・憧れのイギリスで感動した、「住宅とインテリアのあり方」をご紹介します。
K先生と行くイギリス
FBお友達から発展し、あるインテリア団体のセミナーでK先生とリアルにお会いすることができた。
K先生は若かりし日々、イギリスで大工仕事を通してイギリス建築を学ばれた方で、日本へ帰ってきてからもイギリス住宅しかデザインされていない。
イギリス人以上にイギリスの建築・インテリアを知り尽くし、口を開けばイギリス話ばかり(笑)。
そんな先生が、聞けば近々イギリスへ「エコ住宅」の視察へ行かれると言う。
「エコ住宅」… 私にはフィールドが違う話と当初はスルーしていた。
が、なぜか気になる「エコ住宅」という響き…。
と、以前からイギリスインテリアに非常に興味が強かった私は、先生から色々教わりたいという好奇心と、インテリアデザイナーとしてイギリスに関わりたいという野心が、徐々に「イギリスへ行かなきゃ」という気持ちに変えさせていた。
輸入住宅と出会って
少し話がそれるが、私が建築の世界に興味を持った一番の理由は、「海外(特に欧米)のインテリアが好き」だったから。
商業施設や公共施設ではなく住宅だったし、日本の侘び錆の住宅より欧米のデコラティブで華やかな住宅に興味を持った。
数年間、輸入住宅会社でアメリカン住宅とそのインテリアを勉強させて頂いた。
大手有名ハウスメーカーを退職された社長が、輸入住宅会社を設立。
その動機は、ハウスメーカーが販売する住宅に「クオリティー」「金」「サービス」などにおいて疑問を感じたからだと聞いた。
当時は、ハウスメーカーの内情がよくわからず聞き流していたが、その後の経験やイギリス視察を終えた今は、よく理解できるし共感できる。
キッチンの引出しのつまみ1つにまでこだわる施主との打ち合わせは時に大変だったけど、ハウスメーカーの「家づくり」とは全く違っていて、施主の求めるものを吟味して提案提供できることが、本当に楽しくやりがいがあった。
感動したイギリスの街並み
さて、イギリスに到着すると、イギリス在住40年以上という日本人Sさんが迎えてくれた。
運輸会社の元経営者で、イギリスで起業されたという経歴は、また私の好奇心をくすぐった。
大柄なSさんの第一印象は「怖そう」な感じだったが、話す日本語は大阪弁で、同じ関西出身ということもあり心地よかった。
K先生と私を、自らの運転で、ロンドン→ブライトン→ウェールズ→マンチェスター という全約1400㎞を走り、数社の建築関連の会社を案内してくれた。
始めてみるイギリスの古い街並みはとても刺激的で、あまりの古さに時間が止まっているようだった。
「住宅が生えている」と言う表現をイギリスではするようだが、実際目にすると「何てわかりやすい表現だろう」と納得。
決して自己主張がない色と形の住宅、無機質ではなく素朴で自然体、環境にスーッと馴染んでいて本当に美しいと思った。
日本では築数十年の家でもびっくりされるけど、ここには築数百年の家がごろごろある。
家のメンテナンスは、できるだけ自分たちで手入れして大事に使っていると聞いた。
日本のように、何もかも業者任せじゃないんだ…。
建築建材は、自然素材を使用し環境と身体にやさしい。
現場も「自然のにおい」がして気持ちいい。
昔、日本でもそうであったように藁や土でできた壁。
耐震性はどうなのか…。地震の多い日本ではこの問題は外せない。
日本にはないみるからに丈夫そうなオーク材。
いや、実際丈夫!
大自然を見ていると、日本の建材の安全性を疑問に思う…。
15世紀に建てられたパブが今も現役。すごい!!
アンティーク家具好きなので、時間がない中、無理をお願いしてある会社の倉庫へ寄ってもらった。
その量の多さと価格の安さに超びっくり。日本では何十万と値がついているものばかり。
日本にいる沢山のアンティーク家具ファンの方に、なるべく安く提供できないかと、仕入れや配送などを相談した。
日本の住宅の問題
視察を終えるころ、日本の住宅を比較して考えてみた。
販売側は「メンテナンス」を重要視するあまり、お手入れが簡単でスムーズに取り換え対応できる量産の建材を使いたがる。
そしてその建材に関わる業者が多すぎることで、施主に届くころには金額が高額になってしまっている。
今の日本の住宅建築は新建材を使うのが当たり前のことで、メンテナンスがしやすくよい商品だから、たとえそれが高額であってもそれに見合う商品だと信じているところがある。
実際、高機能で素晴らしい商品ではあるものの、新建材から生まれる化学物質が、どのように環境や身体へ影響を及ぼすかなど、販売側が100%理解していないから当然施主への説明もできていない。
また反対に施主の方も、「家づくりは業者がするもの」という考えが基本的にあるので、メンテナンスやリフォームなどは業者に任せることが多く、クレームトラブルにつながっている。
イギリスの住宅の魅力
はじめてのイギリス住宅視察旅行だったけど、「家とは」を深く考えさせられたものとなった。
古くて何かと不便そうなイギリスの家だけど、何度も手入れされ使われていることに家への愛着を感じたし、古い物を大切にする文化を素敵だと思った。
決して自己主張していない外観は、建物全体が街並みに溶け込んでいるようで、「自然の中に暮らしがある」という豊かさを感じた。
一方、日本の家はきれいで便利だけど、古いものは処分し新しいきれいな物を使いたがるし、街並みはバラバラで美しい景観とは言い難い。
まとめ
「自然と共存できる家」「エコロジーの家」を理想の家として、住まいを変えていくべきなのではないか…と思った。
イギリスのコッツウォルズ地方の街並みに憧れる人が多いのは、そういうところに安らぎや豊かさを求めているからではないだろうか。
でも残念なことに、大手企業のCMなどに洗脳されてか、日本でその欲求を叶える人が少ないように思う。
そこで株式会社COLORHOUSEは、イギリス住宅事情を教えてくださった二人の紳士と協力して、「イギリスの住宅とインテリア」を提案していくことにしました。
大手企業さんができない細やかな対応で、なるべくリーズナブルな価格で建材・家具をお届けします。
今後もイギリス訪問を重ね、新しい情報がお伝えできればと思っています。